2017年11月12日

シフト勤務の健康への悪影響と回避方法〜看護管理も科学であるべき

 看護師や介護職のように交代勤務いわゆるシフト勤務者について、特に夜勤が健康に悪影響を与えることは以前から知られていました。これについて、悪影響を回避軽減できる方法が科学的に明らかにされました。
 具体的には、同じ勤務帯の日数を多くまとめ、次の勤務帯への移行は出勤時間が遅れる勤務帯とする、ことが影響軽減に役立つことが示されています。つまり、日勤シフトの次は(準)夜勤シフトにする、同じシフトは数日続ける、ということです。これにより体内時計の調整が可能となり、影響を軽減できると考えられています。これは時差ぼけが東周りの方が西回りよりきついこととも関連します。
 夜勤専従看護師を置いたり、「夜勤専従期間」を設ける施設もありますが、夜勤者確保が難しいためという理由でのことが多いようですが、科学的にも意義があることになります。またやはり三交代よりは二交代の方が、体内時計への影響は回避軽減し易いとも言えます。体内時計の存在は既にかなり広く知られており、強力なライトによる光療法が一部で行われたり、シフト切り替え時にできるだけ休みを入れる配慮をする等されていましたが、明確な根拠が示されたことになります。

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 さて、看護管理という言葉があります。看護職それもある程度年数を積んだ・管理職志向でなければ知らない人の方が多いと想いますが、文字通り看護の管理、正確には看護の質的管理ではなく「看護業務体制管理」を言います。我が国では日本看護協会がファースト(概ね主任)、セカンド(概ね師長)、サード(概ね看護部長)の3レベルの研修カリキュラムを「認定看護管理者」として定め、都道府県看護協会等が研修を実施しています。

 しかし問題はその内容です。改めてカリキュラムを確認しましたが、労務管理、関連法規、対人関係論・組織論ばかりで、それらの根拠となる生理学や心理学、科学的基礎が全くありません。では看護教育段階でそれがあるかといえば、よほど教養課程が充実している看護大でもなければ、それもまた疑問です。いまだ看護教育の場の大半は専門学校ですから、看護師の多くの基礎科学教養は、一般大卒者以下ということが多々ありえるということです。

 つまり現在の看護管理の状況は、科学的根拠に基づかない、経験論さらには精神論的な域をいまだ脱していないことになります。筆者が学生時代「ナースは兵卒、師長は鬼軍曹」という比喩を見かけましたが、下手すると戦前の軍隊のような知的レベルのままかも知れないということになります。様々な業界で過労死や自殺が問題になっていますから、看護だけが特別とは言えません。しかし本来的に人の命を護るべき、そして医学あるいは看護学という科学に立脚するべき医療、看護の上に立つものが、「どうしたらスタッフの命を護れるか」「どうしたらより意欲的にストレス少なくスタッフに仕事してもらえるか」を明確な裏付け無しに指示指導しているというのは、はなはだ疑問を感じます。

 筆者が初めて訪問看護ステーション所長として看護管理者となったとき、私を引き立てて下さった方が「上司の哲学(江口克彦、PHP研究所)」という本を手引きとして頂きました。松下幸之助の組織管理に関する語録ですが、つい先年(読了していませんが)読んだ米海軍で使われているという「リーダーシップ―アメリカ海軍士官候補生読本(米海軍協会、生産性出版)」と比して、「上司の哲学」は非常にエモーショナルであり、「リーダーシップ」は非常に論理的であることに気づきました。どちらも重要と想いますが「根拠の無い経験論」で良いのか。我が国の看護管理者は、ぜひ一考して欲しいように感じます。

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頻繁な明暗シフト環境への長期暴露は慢性炎症を誘導 〜概日リズム障害を起こす環境条件に関する研究〜 | 日本の研究.com https://research-er.jp/articles/view/64110

(Facebook)
https://www.facebook.com/researcherjp/posts/1637611439602942

認定看護管理者カリキュラム基準
http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/educ_inst_approval_cna
posted by 実践研究員その一 at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 労務・マネジメント
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