「保育園うるさい」と地域のお年寄りが保育園に反対したりクレーム入れる近年ですが、「読み聞かせ」することで海馬萎縮を防止できる、認知症予防になるかもしれないという研究成果が出ました。
昔は良く読み聞かせがありました。筆者は生まれる前か幼少期に祖父母は亡くなっていましたが、お爺ちゃんやお婆ちゃんに絵本を読んでもらった記憶がある方も居るのではないでしょうか。しかし近年は核家族化や地域コミュニティが疎遠になり、読み聞かせの機会は、する方もしてもらう方も、だいぶん減ったかもしれません。
ところが、高齢者ボランティアによる6年間の児童・幼児への読み聞かせの結果、開始時と6年後のMRIにおいて、読み聞かせしなかったモニター高齢者と比較すると、海馬萎縮が抑制され、海馬萎縮の程度は認知機能検査の得点と相関することが分かりました。この調査は厳密なものではないものの、海馬は記憶機能や認知症と深く関わることから、読み聞かせが認知症を予防する可能性が示唆されたと言えます。
これはさらに考察すれば、日頃からの子供との関り、読み聞かせによりときに普段使わない単語を含めて、言語を相手に分かりやすく配慮して使用する、さらに情景などを想起しときにそのイメージを付加して伝える、言語機能の駆使と対人コミュニケーションが、脳機能に良い影響を与えるのでは、と推測できます。
あるいは社会的孤立すなわち対人コミュニケーションが少ないことは認知症リスクになることが知られていることからも、子供という想定外の反応やコミュニケーションで活発なコミュニケーションを生じる存在との接触は、認知症予防には効果的に働くと想われます。老人ホームに入居し話す人が居なくなったらボケた、などという事例などからもこれは推測できそうです。
さて近年、幼老複合型施設が「同じケアだから」「老人と子供が触れ合うことは良いことだ」と一部でもてはやされています。しかし家族親類でもご近所さんでもない者同士、しかも自分のことが自分でできない者同士、認知症であればBPSDによる「奇怪な行動」する人を無理矢理一緒くたにすることが、特に子供にとって本当に良いことかは、疑問です。結核や疥癬などの再興感染症の感染リスクは言うまでもなく、すでに発生事例もあります。
そのような筋違いで無用なリスクまで抱える幼老複合型施設を「ボケてしまってから」事後的にあてがうより、お年寄りには元気なうちに、ご近所地域の子供たちに読み聞かせでも何でもぜひ関わって頂き、地域の中でともに楽しく暮らしていけるようにする、その方がはるかに自然で重要に想います。「ボケたくないなら保育園に行って読み聞かせしよう!」その方が健康的で自然に子供とお年寄りが触れ合うことになるのは自明です。
我々医療者ケア者としては、これからの認知症ケアさらに認知症予防を言うなら、「ボケる前から、ボケない地域の環境、関係づくりの支援」も考える必要があると想います。
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絵本読み聞かせボランティア活動で加齢に伴う海馬の萎縮が抑制」 | 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/62852
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保育園建設に反対する高齢者の末路 「脳の学校」の加藤俊徳社長医師・医学博士に聞く http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/031400241/
2017年11月22日
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