新型コロナ騒ぎから半年、今年は近年に増しての猛暑になっています。ここで夏前から問題視されてきたのが、猛暑の中でマスクをすることで熱中症を誘発しないか、ということです。実際に妊婦が倒れた等の報道もちらほら出てきています。そこでようやく厚生労働省は「十分なソーシャルディスタンスを確保できれば、マスクをしなくても良い」と告知を始めました。
さてWHOは当初から「マスクには予防効果は無い」と最近まで推奨していませんでした。新型コロナに限らずインフルエンザでも「ただの風邪」あるいは最近増加している麻疹、風疹などのVPD(ワクチンで予防可能な感染症)まで、その感染経路は飛沫感染そして手指で目鼻口を触ることによる接触感染だからです。飛沫感染とは文字通り飛沫つまり唾液を目鼻口に直接浴びることを意味するので、よほど密な状態でなければ現実にはありません。なのでこれらの感染は実質的に手指で物品等に付着した見えない飛沫を触りそれを目鼻口に擦り付けることによる接触感染であり、手洗いが第一の感染予防対策となります。
ただし最近の研究により、新型コロナの場合は無症状でも感染していれば感染媒介能力がある、つまり他人に移すことがあることが分かってきており、さらに無症状の感染者が4割以上いるようだということも分かってきました。そのため「万一自分が感染していた場合に、自分の飛沫を飛散させないため」マスクをすることを勧めるようになっています。
ただし冒頭述べたように、猛暑酷暑の中では体熱放散を妨げ熱中症を助長するおそれ、さらに状況によっては呼気の二酸化炭素の再呼吸により息苦しさその他呼吸の問題を生じる懸念すらあります。実際筆者はヘルパー養成講師でもありますが、講義のため話し続けるとマスクでは苦しくなるので、受講生から十分なソーシャルディスタンスを取った上でマスクを外すこともあります。
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特に在宅や個室介護施設であれば、利用者の居室は「隔離状態」であり、利用者だけであれば感染リスクはほぼゼロと言えます。問題は特に外来者すなわち医療者やケア者が「外から病原体を持ち込む」ことです。そして感染経路は上述の通り直接の飛沫飛散と、手指や物品による「飛沫のなすり付け」です。
よって利用者の感染防護のためには、外来訪問者である医療者やケア者あるいは面会者が必ずマスクをすること。必ず利用者宅または居室出入り前後に手洗い手指消毒すること、です。また利用者に直接触れる聴診器や体温計、血圧計などの物品も、できる限り一人毎に消毒あるいは衣服越しに使用する等の接触回避が必要です。当然、居室内の利用者がマスクをする必要は「ありません」。
またPPE(個人防護具)は「利用者が感染者または疑いが濃厚な場合にのみ」装着し、もちろん一人毎に使い捨てにすべきです。すなわち一部に報道されたような「ゴミ袋をかぶって竹槍PPE」などはナンセンスで不要です。逆に新型コロナに限らずインフルエンザ、感冒等で咳がある場合は、医療者ケア者はゴーグルまたはフェイスシールドで目を確実に防護すべきです。この場合十分な大きさで目を覆えれば、通常のメガネでも足りると言われます。ゴーグルやフェイスシールドは水洗いに耐える素材なら、通常の洗剤等による洗浄、乾燥で再利用が可能です。
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新型コロナ騒ぎから半年、市民のストレスも高まり「自粛警察、帰省警察、感染者狩り」のような病的なストレスコーピングも一部に見られています。新型コロナによる死亡者は2020年8月時点で1000人ちょっとに過ぎませんが(全ての原因による肺炎での死亡者は年間約11万人)、「市民のココロナ病的状態」ははるかに多いように見えます。
近代看護の祖、ナイチンゲール女史がクリミアの野戦病院で最初にしたことは、「窓を開けて換気し日光を入れ、掃除し清潔にし、暖かい食事を与えること」だったと伝えられています。またその重要性を後年「看護覚書」として後世の我々に遺しています。
ただ「言われたから、なんとなく怖いから」「なんとなくマスクする」同調圧力のままに「上の、誰かの言う通り、皆しているから」ではなく、「なぜマスクが必要なのか。今マスクは必要な状況か」をきちんと科学的理性的に考え「必要に無いときはマスクを外し、新鮮な空気を吸い、ストレスを吐き出す」ことは、今後さらに第二波第三波や「さらなる新型」「デングやジカのような新たな感染症」すらあり得るこれからの生活にとって、大切なことになると想います。
なお末筆ながら、「日本版CDC、米国疾病対策局」を求める声が一部にありますが、既に我が国には国立感染症研究所という立派な公的感染症対策部局が存在します。しかし近年の政策施策により予算も人員も削られ続け、今や当たり前のSNSによる情報発信も無い状態です。国立感染症研究所への期待と理解もぜひ頂きたいところです。
熱中症を防ぐためにマスクを外していいの? ⇒ 厚労省「屋外で人と2m以上離れていたら外して」 https://www.huffingtonpost.jp/entry/heatstroke_jp_5f334dcec5b6fc009a5ef4f1
厚生労働省
「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html
(1) マスクの着用について
「
高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
」
国立感染症研究所
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(2020年6月2日改訂版)
別添 表. 状況、職種、活動種類に応じた COVID-19 流行時における PPE の使用例
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9310-2019-ncov-01.html
新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します〜物品への消毒方法の選択肢が広がります〜
https://www.nite.go.jp/information/osirase20200522.html
医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について
https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20200417-03.html
2020年08月27日
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