2021年08月09日

新型コロナ患者への訪問の注意点

 新型コロナの自宅療養者や宿泊施設療養者への訪問看護が認められ・加算算定できるようになりました。ここで注意すべきは当然ながら訪問看護師の感染リスク対策さらに「持ち出し媒介リスク」対策です。自身が感染しないことはもちろん、キャリアにならないことまで考える必要があります。

 筆者は1999年代に横浜市内で先駆的な訪問看護ステーションを新設、先駆けて在宅にスタンダードプリコーション(標準予防策)を導入しインターネットでマニュアル公開していました。本来スタンダードプリコーションを実施すれば空気感染が明確な結核、麻疹、水痘以外の感染症は阻止できます。
 感染症は多くの場合、感染源に触れた手指で目鼻口の粘膜を触れることで感染するので、スタンダードプリコーションでは「一人のケア毎にその前後に手洗い(または手指消毒)」が基本かつ最優先とされています。在宅医療、訪問看護・介護の場合は利用者宅・居室に入るとき出るときの手洗い(手指消毒)です。問題はそれを確実に全員全訪問で実施できるかしているか、です。

 特に注意点として、手洗い後退出時にドアノブを触れるので、その直後に手洗い無いし手指消毒をすべきです。また宅外室外に出て手指消毒するまでは、決して自分の顔に触ってはいけません。前述の通り目鼻口の粘膜がウイルス感染のウイークポイントだからです。
 加えて、訪問順位を最後にする、新型コロナ担当者は当日は専従とする、等のオペレーションの配慮が好ましいところです。PPE(個人防護具)はあれば理想的ですが必須ではありません。ただし咳嗽がある、ソーシャルディスタンスを確保しての会話に協力できない、マスクをしない・できない利用者に対応する場合は、マスクに加えて目の防護を考えるべきです。専用のゴーグルでなくても、十分大きなレンズの「だてメガネ」でもある程度の効果が見込まれると想われます。
 感染者対応した場合は、ユニフォーム等はその日の訪問終了後に洗濯すべきです。消毒はできれば理想的ですが、新型コロナウイルス(に限って)は洗剤で不活化されることが北里研究所等の研究で分かっていますので、体液等による濃厚な汚染が無ければ通常洗濯で十分です。

* * *

 感染管理では古くから「その組織で一番感染対策(理解・実施)レベルが低い者のレベルが、その組織の感染対策レベルとなる」という言葉があります。感染対策としてのスタンダードプリコーション、手洗いは「全員が同様に全員全訪問に対して」実施することが何より重要です。

 また、当然ながら新型コロナ自宅・宿泊療養者への訪問に際しても指示書が必要であり、それを誰を主治医として得るかが問題になります。
 なお併せて新型コロナ関連の人員基準についての臨時取り扱いについても資料リンク掲載します。


日本環境感染学会 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf

宿泊・自宅療養中のコロナ患者への訪問看護、【長時間訪問看護加算】(5200円)などの特例算定可能に―厚労省
https://gemmed.ghc-j.com/?p=42300

医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について
https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20200417-03.html

「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」〈訪問看護に係る事項まとめ〉
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/matome_houmonkango.html

「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/matome.html
posted by 実践研究員その一 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 感染対策
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