2022年03月21日

「象の背中」命の終わり、看取り、死生観を持つということ

 数年前ふと「象の背中」という動画を見ました。今もYoutubeで公開されています。
 手書き風の、歌だけのアニメの中に、家族と、愛する人との別れが、そして「死を予期、予告された人、いや象の想いと行動」が、描かれています。

 象だけに偶像、群像、ただの映像具象、で済ませてはいけない。

 超高齢化、長寿化日本で、健康寿命と平均寿命との乖離=要介護問題さらに認知症問題、それに伴い介護職不足問題や介護力さらにヤングケアラー問題、そしてホスピス難民はもう聞き古し「看取り難民」つまり病院で死ねない(ではどこで死ぬ!?)問題まで言われ始めています。

 突然死サドンデスもあります。それでも、全く健康な人が、ということは確率、統計的には多くはないでしょう。まして年を重ね高齢者になったなら。不摂生に心当たりあるなら。いつどうんな理由で死ぬかは、分かりません。が、「若い人より確実に早く死ぬ、その時が来る」ことは自明です。まして、なにかの病気で余命告知されたならば。

 そのとき、どうするのか。誰のために、何をするのか。

「元気、ではなくなったとき」それを考えなければならない、と想います。愛する人、遺していく人たちのために、そして自分のために。

「人は、生きたように、死んでいく」


「象の背中 旅立ちの日」
https://www.youtube.com/watch?v=zb35TtsQncU
posted by 実践研究員その一 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 看取り・緩和ケア・ホスピスケア

2020年08月15日

肺炎いろいろ、死に方色々、色即是空人は死ぬもの

今日は終戦記念日、我が先代となるはずだった人含めて300万人もの同胞が戦死戦没した先の大戦をしのぶ日です。

 さて俳優、渡哲也さんが肺炎で亡くなられました。「故人の意向で」家族葬後かつ終戦記念日の前にのツイッターでの発表そして「故人の意向でお別れ会等は致しません」と。コロナ禍や時節をみての渡さんのお気遣いでしょう。しっかり「自分が死んだら」ということを考えておられたのだと想います。まさにACP(アドバンスドケアプランニング)、人生会議?をしっかり意識せずともされていたということでしょう。
 しばらく前には志村けんさんが新型コロナ「肺炎」で逝去されていますね。

 さて。肺炎の「原因」は色々です。半数は原因不明、その中に元々コロナによる肺炎も含まれていただろう、検査法が無かったから分からなかっただけ、とも言われています。
 ところがなぜか!? 新型コロナだけ「特別扱い、人類滅亡の大疫病扱い」。エボラ出血熱でも相手するのかというようなフル装備PPEさらには「肺炎」なのに寝たきり老人?にまでエクモ持ち出し大騒ぎ。「普通の肺炎」ならエクモどころか人工呼吸器も付けません「回復可能性が無いなら」。

 結局、「人は死ぬ」ということを何も考えていないから、そうなります。名優だって肺炎で死ぬ。人気芸人だってコロナで死ぬ。「何で死のうと、死ぬことは必ずそのうち来る、我がこと」として今日この日こそ、ぜひ皆で考えたいものです。

 そして渡さんのご冥福を心より祈念致し升。私も西部警察大好きでした。献杯。
posted by 実践研究員その一 at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 看取り・緩和ケア・ホスピスケア

2020年08月13日

年取れば要介護なら誤嚥窒息死は当然増える覚悟すべき、コロナより切実 他

 2013年に長野県安曇野市の特別養護老人ホームで、入所者の女性(当時85)にドーナツを与えて窒息死させたとして、業務上過失致死の罪に問われた准看護師の女性被告(60)の控訴審で東京高裁は第一審判決を破棄、無罪判決としました。
 これは良識的にしてあるべき当然なる判決です。この種の医療・介護事故訴訟は通常、賠償能力と監督使用者責任の点から施設側を被告とするのに、個人を「狙い撃ち」すること自体が何かおかしい。いわゆる「苛烈な処罰感情」でも遺族にあったのでしょうか。しかしあったとして、自分が面倒見れないものを面倒見てくれる人に(虐待でもしたのでないなら)それは理不尽で恩知らずな言いがかりと言わざるを得ません。家族を失った悲しみは斟酌するに余りますが、悪意の無い過失すら証明されていない人を処罰したとして、死んだ人が生き返るわけでも喜んでもらえるわけでも、無いはずです。

 医療も介護も相手はモノでも機械でもない以上、「必ずうまくいく、必ず想定通りになる」ことは無い、不確実性がどうしても存在し無謬性(むびゅうせい、絶対に誤りが無いこと)は担保できません。ところがそのことを医療の進歩特に我が国医療の高度さと「安価に、特に老人医療介護はタダ同然で自由に消費できる」安易さ手軽さゆえに「医療も介護もうまくできて当たり前」という誤った感覚が国民上から下まで蔓延している、それが問題の根底と想います。
 しかし新型コロナで分かったように、たとえ人工呼吸器をさらにECMOをつけようと、元々健康を害していた基礎疾患がある高齢者は死ぬときは死ぬ。それを避けられるかどうかは単に日頃の摂生と「運」でしかありません。

 そしてこの事件は発生当時「嚥下が悪い人に食事介助して誤嚥窒息させたら有罪、犯罪者になってしまうなら、誤嚥リスクのある人の食事介助など恐ろしくてできなくなる」とケアに携わる多くの人を震撼させたと筆者は記憶しています。一人で何人もの要介護者に目を配り食べさせなければならない。嚥下が悪いのに自分で食べ物を次々口に入れる人も居れば、音もなく誤嚥して突然むせ込んだり吐き出す人も居ます。気の休まることのない食事介助です。
 また看護師は老人ホーム等では施設によりますが20名〜50名に対して1,2名の配置です。基本的には異常者の個別対応が業務また限界で、全員に目を配ることは物理的に不可能です。その意味で法的にはいわゆる違法性阻却事由として「期待可能性が無い」と言えるとも考えられます。「そんなの無理」ということです。

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 そして考えるべきは、2004年福島県立大野病院で「問題妊婦」の出産(帝王切開、大量出血)で死亡したいわゆる「大野病院事件」により産科医師の「立ち去り型サボタージュ」が発生し「産科医療崩壊」を招いた事実です。つい先日の「乳がん手術後胸舐めた(?)」裁判といい、確たる因果関係の立証も無く、被害者感情のみを優先し安易に有罪あるいは賠償責任を認めていたら、既に人材不足の介護はなり手を失い、益々要介護者が増えるというのに介護崩壊しかねません。

「絶対に転倒ケガさせてはいけない」「だけど絶対拘束してはいけない」「誤嚥するから食事は危険」「でも何とかして食べさせろ経管栄養延命は良くない」一体どうしろというのか、無茶ぶりそのもの、それが介護の現実です。要介護者は具合が既に悪い。元気な人より転ぶしケガするし誤嚥もするから窒息もする、何が理由にせよ死ぬ確率は元々高い「それが当たり前」としっかり社会全体として認識、コンセンサス形成すべきです。また救急医療について「よきサマリア人の法の整備」が叫ばれて久しいところですが、介護もまた同様に、故意や悪意、明確な過失が無い限りは免責とするよう、速やかに法整備すべきです。

 7年もの長い時間を犯罪者呼ばわれされながらも耐えてきた准看護師女性には、心から労いと共感の言葉を贈りたいと想います。

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ドーナツ食べた入所者死亡 准看護師に逆転無罪 東京高裁 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200728/k10012536621000.html

《ドーナツ窒息死 逆転無罪》ベテラン准看護師と老人ホーム入所女性の間になにが起きたのか? #ドーナツ窒息死事件 #週刊文春 #文春オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f9892c3a949e42851aaa8ddcd8941040a52e60c
https://bunshun.jp/articles/-/39347
准看護師女性の人となり働きぶりと、死亡した入所者の様子がきめ細かく取材されています。

「ドーナツで窒息死」ベテラン准看護師に有罪判決の波紋 無罪を求める署名は40万超え #ドーナツ窒息死事件 #週刊文春 #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/11549

おやつにドーナツ、逆転無罪 窒息の危険性「相当低い」―特養死亡事故・東京高裁:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072800721&g=soc @jijicomより

ドーナツで特養入所者窒息死 准看護師に逆転無罪判決:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASN7X516DN7WUTIL040.html

特集 ついに判決 福島・大野病院事件
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/report/t020/

福島県立大野病院事件がその後の産科医療に与えた影響 慶應義塾大学経済学部別所俊一郎研究会清水大地白坂海南絵深谷啓介
http://keizemi-keio.info/wp/wp-content/uploads/2017/01/bessyo_mitaron.pdf
posted by 実践研究員その一 at 13:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 看取り・緩和ケア・ホスピスケア