2024年08月10日

医療介護福祉のカスハラ対策を

 カスハラ(カスタマーハラスメント、客による嫌がらせ、不当な要求や暴言)の被害は、医療福祉の被害率が約30%でトップという、まさかな調査結果がありました。しかも被害者は20〜30代の若手が多く、加害者は40代〜の中高年が多いようです。近年、駅などでの暴力は初老男性が加害者であることが多いと知られていますが、カスハラも同様の傾向があるようです。

 問題はカスハラが信頼関係を破壊しケアを困難にするとともに、被害者職員の転職離職の原因になることです。ただですら離職率が高い医療介護福祉分野では、患者や利用者によるカスハラは、近年問題視されているセクハラと併せて、事業所、管理側が喫緊に対策すべき課題です。

 下記は筆者が2011年に神奈川県藤沢市で新設した訪問看護ステーションの契約書の、ハラスメントに対する解約条項です。契約書に明記すること、それを契約時にきちんと責任者が説明することが重要です。
 また責任者(管理者等)が定期的に・必要時に訪問することで「にらみを利かせる」ことも必要です。男性看護師・介護職も増えているので、ハラスメントする利用者には男性職員を訪問させると、男性には手を出さない場合もあるので検討すべきです。

 筆者は90年代に訪問看護を始めてすぐ、「在宅は密室のケア」という言葉を教わりました。それは「ケア者が悪事をなすこともできる(虐待や窃盗等)」と同時に「利用者がケア者に悪事をなすこともできる」ということです。全ての訪問医療者ケア者は、この言葉を肝に銘じるべきでしょう。


第11条(当所の解約権)
当所は、次のいずれかの場合は14日以上の予告期間をもってこの契約を解除できるものとします。この際、当所は主治医、居宅介護支援事業者等と協議し、市町村等の公的サービスへの連携を可能な限り図るものとします。
1 利用者等が当所や職員に対し故意に法令違反または不法行為、セクシャルハラスメントその他不信行為を為した場合。
2 第9条2項規定の滞納の場合。
3 利用者等から看護計画の承認またはその実施への協力が得られない場合。
4 天災または当所の廃止・休止その他当所の運営上の事由により、当所のサービス提供の継続が不可能となった場合。


カスタマーハラスメントの増加 吉村やすのり生命の環境研究所
http://yoshimurayasunori.jp/blogs/%e3%82%ab%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%8f%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ae%e5%a2%97%e5%8a%a0/
posted by 実践研究員その一 at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ハラスメント・セキュリティ対策

2023年03月26日

またも在宅医療ケアの場での犯罪、「密室リスク」に備えを


 また「密室の暴力」が発生しました。幸い大事に至りませんでしたが、先日の射殺事件もあり、「在宅、訪問医療やケアの密室リスク」が顕著になりつつあります。

 超高齢化による在宅療養・介護によるニーズ増大もあり、開業コストの安さもあり訪問診療・看護が増えています。しかしきちんと歴史と資質ある訪問診療機関や訪問看護ステーションでの実務、研修無く「ぽっと飛び込む」人たちも居る屋に見えます。熱意と言えば聞こえは良いのですが、知るべきこと、伝えられるべきリテラシーを学び伝えられていないことは、いざというとき大きなリスクになり得ます。

 筆者は90年代に訪問看護を始めたとき、地域で最初の訪問看護ステーションで学びましたがまず「在宅は密室」その怖さを教えられました。近年このような事件とともに虐待も問題になっていますが、誰の目も届かない在宅医療、訪問診療や訪問看護、訪問介護の場では、我々医療者やケア者は被害者にも加害者にもなり得ます。

 筆者は1999年に横浜で訪問看護ステーションを新設した際、職員教育マニュアルに犯罪被害への注意を明記し、警察にも協力を要請しました。我々医療者ケア者が虐待や暴言などの加害者にならないよう、モラルを持つことは当然、被害を受けないよう安全面の査定や対策、いざという場合の対応訓練等も考えることが必要です。


女医と看護師、監禁される…「母の診療急いで」と呼んだ息子が家で 女医が携帯でメッセージ送信、警官突入(埼玉新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/309c3cb8e8cc12b7fda65bd7fab5af825d4b0199

ふじみ野医師殺害1年 暴力、ハラスメント 在宅医療が直面する危険
https://www.sankei.com/article/20221230-H3EEJ34DYNI23H4SY25PSWQR24/

訪問看護ノート2/訪問看護の特性
http://sweetcare.sblo.jp/article/122689240.html

訪問看護ノート2/訪問の心構え
http://sweetcare.sblo.jp/article/122684638.html
posted by 実践研究員その一 at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ハラスメント・セキュリティ対策

2022年03月22日

「アゴラ」投稿掲載「在宅医療ケアの「密室犯罪」を防げ」

 池田信夫氏主宰の言論サイト「アゴラ」に、当研究室代表の標記投稿が掲載されております。

 大阪のクリニック放火死傷、埼玉の在宅医射殺と相次いで凶悪犯罪が地域医療の中で発生しました。
 しかし実は病院は暴力や放火の場としてかなり危険性が高いことが明らかになりつつあります。

 特に「在宅は密室」セクハラ、暴力暴言だけでなく、犯罪への対策も必要です。
 超高齢化社会を支えるためにこそ、医療者ケア者はまず自らを護らなければなりません。

在宅医療ケアの「密室犯罪」を防げ
https://agora-web.jp/archives/2055018.html
posted by 実践研究員その一 at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ハラスメント・セキュリティ対策